耐塩害・高耐久性 コンクリート用混和材
クロロガード®について
クロロガードとは
構造物の長寿命化、高耐久化に貢献!!
クロロガード®は、セメント等の結合材に対して、所定の量(標準使用量:40kg/m3)を置換して使用することにより、高い塩化物イオン浸透抵抗性をはじめとした、高耐久性コンクリートを得ることのできる混和材です。 クロロガード®を使用することにより、塩化物イオン浸透抵抗性のほか、圧縮強度、乾燥収縮特性、凍結融解に対する抵抗性に優れたコンクリートを製造することができ、構造物の長寿命化、高耐久化、ライフサイクルコスト低減などを図ることができます。
クロロガードのメリット
少量添加で高い耐塩害性
コンクリート1m3あたり20~40kgを
添加するだけで、十分な性能を発揮
現場打ち生コンもプレキャスト製品もOK
製造~輸送~ポンプ圧送~打込み・・・通常生コン同様
なので、生コン使用もプレキャスト製品製造も可能
特殊な製造設備不要
プラント内ミキサへの直接投入が可能なので
サイロなどの設備設置は不要
コンクリートかぶり増厚不要
塩化物イオン浸透抵抗性が高まるので、通常の
かぶり厚で、鋼材の腐食を遅らせる効果が発現
クロロガードと従来技術(材料、工法)との比較
分類 | 概要 | 効果 | 特徴 | |
---|---|---|---|---|
クロロガード |
生コンに粉体を投入 (20~40kg/m3)し、 練り混ぜる |
鋼材への塩化物イオンの 供給量を低減する |
所定量が少ない 専用設備不要 製造の汎用性が高い |
|
従来型 混和材 |
高炉スラグ微粉末 フライアッシュ (またはこれらの 混合セメント) |
所定の配合で練り混ぜる |
所要量が比較的多い サイロなどの専用設備要 |
|
従来型 技術 |
表面被覆工法 |
表面被覆塗装 (コンクリート硬化後) |
工程が増える。天候に左右される | |
かぶり増し厚 | 鉄筋かぶりを増し厚する |
型枠改造要 (コンクリート製品の場合) |
||
鉄筋エポキシ 樹脂塗装 |
あらかじめ鉄筋に 樹脂塗装を施す |
鋼材の防錆 | 準備に時間と手間を要する |
クロロガード®の特徴
クロロガード®を使用した高耐久性コンクリートは下記のような効果が期待できます。
- 塩化物イオン浸透抵抗性向上
- 圧縮強度同等以上
- 乾燥収縮低減
- 凍結融解抵抗性向上
製造方法
- 40kg/m3使用(標準量)練混ぜ、打込み: 通常通り
- 所要の塩化物イオン浸透抵抗性に応じて20kg/m3とすることも可能です。
クロロガード®の用途
高い塩化物イオン浸透抵抗性を求められる構造物に適しています。
- 臨海で使用する構造物
- 凍結防止剤の散布される構造物
▶用途例
クロロガード®を使用したコンクリートの標準的な配合
全容積 | クロロガード® | その他のコンクリート素材 |
---|---|---|
1,000 ℓ | 40kg(容積17 ℓ) (20kg/袋×2袋) |
983 ℓ |
- クロロガード®は、セメントもしくは結合材に置換して使用することを標準とします。
- クロロガード®の標準的な使用量は、コンクリート1m3あたり40kg(20kg/袋×2)とします。
- 所要の塩化物イオン浸透抵抗性に応じて20kg/m3とすることも可能です。
荷姿
クロロガード®:20kg紙袋
クロロガード®を使用したコンクリートの製造
- コンクリートの練混ぜは、通常と同様に行ってください。 クロロガード®は、セメントと同様にミキサに投入してください。
- コンクリートの打込みは、通常のコンクリートと同様に行ってください。
- 養生は通常のコンクリートと同様に行ってください。
- その他については、現場責任者の判断に従って行ってください。
※ 品質管理に関しては、現場の品質管理計画に基づき、必要に応じて試験項目を選定し、実施してください。
クロロガード®を使用したコンクリートの性能
クロロガード®を使用した耐塩害コンクリートの標準的な配合の例(W/B=40%)
記号 | W/B (%) |
単位量(kg/m3) | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
W | 結合材(B) | 細骨材 | 粗骨材 | ||||
セメント | クロロガード | ||||||
N | BB | ||||||
N-クロロガード | 40 | 168 | 380 | - | 40 | 753 | 1050 |
BB-クロロガード | 40 | 168 | - | 380 | 40 | 741 | 1050 |
N単味 | 40 | 168 | 420 | - | - | 764 | 1050 |
BB単味 | 40 | 168 | - | 420 | - | 751 | 1050 |
- N:普通ポルトランドセメント BB:高炉セメントB種
- ※スランプ8±2.5cm、空気量2.0%以下(凍結融解試験は5~6%)
- ※配合の一例でありこれに限定されません。
- ■養生条件:前養生20℃-4h、昇温10℃/h、最高温度60℃-3時間、降温10℃/h、材齢1日以降は20℃の恒温室で気中養生。
塩化物イオンの拡散係数
環境・用途に応じて設計・配合が可能
所要の塩化物イオン浸透抵抗性に応じて、クロロガードを使用するコンクリートの配合設計が可能です。
※クロロガードを使用するプレキャスト製品や構造物の設計は関連する指針に準じてください。
▶塩化物イオン実効拡散係数
EPMA分析による塩化物イオン濃度分布例
▶鋼材腐食開始年数の計算例
セメント種類 | 普通ポルトランドセメント | 高炉セメントB種 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
「クロロガード」置換量(kg/m3) | 0 | 20 | 40 | 0 | 20 | 40 | |
水結合材比 | W/B | 40% | |||||
構造物の表面における塩化物イオン濃度(kg/m3) | C0 | 9.0 | |||||
かぶり設計値(mm)1) | cd | 30 | |||||
実効拡散係数(cm2/年) | De | 0.670 | 0.330 | 0.080 | 0.133 | 0.085 | 0.051 |
換算係数 | k1k2 | 0.431 | 0.266 | ||||
見掛けの拡散係数(cm2/年) | Dae | 0.289 | 0.142 | 0.034 | 0.035 | 0.023 | 0.014 |
鋼材腐食開始年数(年)2) | 7 | 14 | 61 | 56 | 88 | 100以上 (148) |
- 1)土木学会コンクリート標準示方書[設計編] 2017より、構造物のかぶりを粗骨材の最大寸法の3/2倍以上とすることを参考に、最大寸法が20mmの粗骨材を想定して設定。
- 2)土木学会コンクリート標準示方書[設計編]2017において、本計算による耐用年数の上限は100年とされることから、100年を超える場合は「100以上」と表記。()内は計算値。
圧縮強度
高い圧縮強度を実現
クロロガードを使用したコンクリートの圧縮強度は、使用しない場合と比べて同等以上となります。
▶圧縮強度試験結果
乾燥収縮
乾燥収縮が小さくひび割れを抑制
クロロガードを40kg/m3使用したコンクリートの乾燥収縮ひずみは使用しない場合と比べて200×10-6小さくなり、ひび割れ抑制に効果があります。
▶乾燥収縮ひずみの経時変化(材齢1日から測定開始)
凍結融解
高い耐凍害性により劣化を抑制
クロロガードを使用したコンクリートは空気量を適切に保つことにより、クロロガードを使用しない場合に比べて耐凍害性に優れます。